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民法改正を踏まえた賃金等請求権の時効見直しについて、厚労省検討会が論点整理を公表【厚生労働省】

2019年07月01日

厚生労働省に設置されている「賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会」は1日、今後の労働政策審議会での審議に向けた「論点の整理」をとりまとめ公表しました。現行の労働基準法では、賃金や労災補償の請求権は2年、退職金の請求権は5年で消滅する時効の定めを置いています(115条)。この消滅時効が定められた際の根拠となっていた民法の短期消滅時効の規定(174条)が2017年6月に成立した改正法で廃止され、2020年4月からは、「権利行使できることを知ったときから5年、権利行使ができるときから10年」とする新たな規定が施行されることとなっています。厚労省では、この民法改正に合わせた現行労基法の時効規定の見直しについて、2017年12月に専門家による検討会を設置し、これまで議論を進めていました。今回公表された論点整理では、①民法改正による短期消滅時効の廃止に加え、②現行の2年間の消滅時効の下では、未払い賃金を請求したくてもできないまま時効期間が経過してしまう現実の問題があること、③仮に時効期間が延長となった場合には、個別紛争の長期化を避けるため、企業の指揮命令や労働時間管理に改善の動きが生じ得ることなとから、「賃金請求権の消滅時効期間を将来にわたり2年のまま維持する合理性は乏しく、労働者の権利を拡充する方向で一定の見直しが必要ではないかと考えられる」と指摘。一方、改正民法に合わせて消滅時効を5年に延長することに関しては労使の意見の隔たりが大きいことから、賃金債権の特殊性や時効見直しによる企業への影響、コスト等に留意した上で、速やかに労働政策審議会で検討し、一定の結論を出すべきとしています。

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