労務相談事例集

弊所に寄せられたご相談をピックアップしました。弊所に寄せられたご相談をピックアップしました。
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保険代理業(2020年4月)

質問

当社では、顧客の所在地や打合せ時間によっては、自宅から顧客先へ直行させています。
また、帰りは会社に戻ってから帰宅することが原則ですが、朝と同様に訪問場所と社員の自宅の場所との関係などで直帰も認めています。
会社から顧客先へ行くときや顧客先から会社へ戻るときは、その移動時間は労働時間になるようですが、直行・直帰の場合の移動時間は労働時間になるのでしょうか。

回答

通勤とは、本人の住居と勤務場所との往復をいいます。
直行や直帰の場合の勤務場所とは顧客先などの出向いた場所になります。言い替えれば「通常と異なる勤務場所と住居の往復」と考えるとわかりやすいでしょう。
会社に出勤すれば、始業時刻以降は使用者の指揮命令下に置かれていることになります。そして、業務命令により会社から顧客先などの目的地に移動するのが通常の業務遂行の方法です。そして、会社に戻り退社するまでの時間が労働時間であるとされています。
一方、「直行・直帰」は、顧客の所在地や打合せ時間などの関係から会社へ出勤することなく自宅から直行する方が合理的である場合や訪問場所と社員の自宅の場所の関係などから会社に戻るのが不合理である場合は、会社を経由することによるムダを省くため,直接自宅から目的地へ移動し、目的地から直接自宅へ移動することを認める実務的な扱いです。
この場合は、通勤時間と同様に、直行では住居を出発して寄り道しても、顧客と約束した時間に到着すれば良いですし、直帰では顧客との面談終了後にまっすぐ自宅へ帰らずにどこかへ寄っても良いわけです。
これらの時間は、直行のときは訪問先に到着する前の時間および直帰のときは訪問先で業務が終了した以降の時間は通勤時間となり、労働時間には該当しません。

飲食業(2020年3月)

質問

社員の中に、熱や咳がある者がいます。新型コロナウイルスが流行っており、職場の同僚への感染が心配なので、自宅待機をさせたいと思いますが、どうしたらよいのでしょうか。

回答

厚生労働省のHPでも、発熱などの風邪の症状があるときは、会社を休んでいただくよう呼びかけています。
休むことは本人のためにもなりますし、感染拡大の防止にもつながる大切な行動です。
さて、新型コロナウイルスに関連して労働者を休業させる場合、欠勤中の賃金の取り扱いが問題になります
実際に新型コロナウイルスに感染しており、都道府県知事の指示による就業制限により労働者が休業する場合でも、「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当しないと考えられますので、会社が休業手当を支払う必要はありません。なお、要件を満たせば、健康保険の傷病手当金が支給されます。
また、新型コロナウイルスかどうか分からない時点で、発熱などの症状があるため労働者が自主的に休む場合は、通常の病欠と同様に取り扱って差し支えありません。
しかし、たとえば熱が37.5度以上あることなど、一定の症状があることのみをもって一律に労働者を休ませる場合のように、使用者の自主的な判断により休業させるときは、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。
年次有給休暇は、原則として労働者の請求する時季に与えなければなりませんので、使用者が一方的に取得させることはできません。
いずれにしても、緊急的、例外的な事態ですので、就業規則などの規定に照らし、労使で十分に話し合っていただき、安心して休業することのできる体制を整えることが重要です。

【ご参考】
「濃厚接触」とは、必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(目安として2メートル)で一定時間以上接触があった場合をいうとされています。

介護施設運営(2019年2月)

質問

労働基準法が改正されましたが、それぞれの施行期日とその罰則を教えてください。

回答

改正条項のほとんどが平成31年4月1日からの施行となり、罰則は適用されるものとされないものがあります。

●3ヶ月フレックスタイム制
 施行期日 平成31年4月1日
 罰  則 労使協定の届出違反 30万円以下の罰金

●時間外労働の上限規制に係る規定
 施行期日 平成31年4月1日
 罰  則 上限時間(80時間、100時間)違反 
 6ヶ月以下の懲役又は30円以下の罰金
 経過措置 中小事業主は平成32年4月1日から適用
 適用除外 新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務
 適用猶予 工作物の建設等の事業、自動車の運転の業務、医業に従事する医師等
 ※平成36年4月1日から適用

●年次有給休暇
 施行期日 平成31年4月1日
 罰  則 年5日以上取得させなかった使用者に対して、対象1名につき30万円以下の罰金

●割増賃金率の適用
 施行期日 中小事業主は平成 35 年4月1日から適用
 罰  則 6ヶ月以下の懲役又は30円以下の罰金

●労働基準法施行規則の見直し
 施行期日 平成31年4月1日
  ⑴ 労働条件の明示    → 真実を明示すること
  ⑵ 労働条件の明示の方法 → 希望によりmail可
  ⑶ 過半数代表者関係   → 民主的な選出に限る

金属部品製造業(H30年2月)

質問

弊社では、ほぼ毎月残業が発生しますので、残業の多い月と少ない月を平均した額を計算し固定残業代として毎月支払っています。
先日、残業時間数などの内訳を明示しないと、これまでのような支払方ができなくなると聞いたのですが、本当でしょうか?

回答

固定残業制を続ける場合は、基本給の額とは別に実際の残業時間数と残業代の計算方法とその金額を明示することが必要です。
例えば、【月給30万円(時間外手当込み)】という文言は、「固定残業代」と「基本給等の額」が区別されていないので不適切となり、【月給25万円、時間外手当5万円】というのも、「基本給等の額」は区別されていますが、「固定残業代」としている5万円の計算根拠となる残業時間数や1時間当たりの賃金額が明記されていないので、これも不適切となります。
「1時間当たりの賃金」は、1ヶ月の平均所定労働時間{(365日-1年間の所定休日日数)×(1日の所定労働時間)}÷12を分母として(月給+各種手当)を割ります。
「残業時間数」は、タイムカードなどにより適切に把握し、固定残業代の基礎となっている労働時間数を超えて残業をした場合は、追加の割増賃金を支払う必要がありますし、その旨を明記しなければなりません。
近年、募集要項や求人票の「固定残業代」を含めた賃金表示をめぐるトラブルが多発しているため、青少年が応募する可能性のある募集または求人について、指針は「固定残業代」に関する適切な表示をするよう定めています。法令に従った適正な管理と計算をすることが労務管理の基本です。

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