労務相談事例集

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青果販売業(2020年1月)

質問

現在、妻の両親と同居しており、健康保険は、両親(父71歳、母68歳)ともに私の被扶養者となっています。
妻も当社の役員で健康保険に加入しています。
昨年9月より、妻と妻の両親の医療費が高額になっていますが、高額療養費の「世帯合算」の考え方を教えてください。

回答

まず高額療養費の対象は、保険適用される診療に対し、患者が支払った自己負担額が対象となり、「食費」・「居住費」、「差額ベッド代」・「先進医療にかかる費用」等は、高額療養費の支給の対象とはされていません。
「世帯合算」とは、被保険者・被扶養者の自己負担額の合算をいい、同一の医療保険に加入する家族を単位として行われます。 たとえば、会社で働く方やその家族などが加入する健康保険であれば、被保険者とその被扶養者の自己負担額は、お互いの住所が異なっていても合算できます。
一方、ご質問者のように、ご夫婦それぞれが被保険者となっている場合は、住所が同じでもご夫婦は合算の対象となりません。また、後期高齢者医療制度の被保険者(75歳以上の高齢者)が同居されている場合、それぞれの医療費は合算の対象となりません。
さて、奥様のご両親の場合(71歳と68歳)ですが、合算について、少しややこしい計算となります。

※ 同じ世帯に69歳以下と70歳以上の方がいる場合、以下のような手順で、家族の皆様の自己負担額を合算し、その合計が世帯全体の自己負担の上限を超えないようにしています。
① 70歳以上の方について、外来の自己負担額を個人ごとに合算した額に、70歳以上の方の外来における負担の上限額をそれぞれ当てはめ、差額を支給。
② 70歳以上の方の入院分の自己負担額と、①によってもなお残る自己負担額とを合計した額に、70歳以上の方の世帯における負担の上限額を当てはめ、差額を支給。
③ 69歳以下の方の自己負担額と、②によってもなお残る自己負担額を合計した、世帯全体の自己負担額に、世帯全体における負担の上限額を当てはめ、差額を支給。

金属加工業(2019年12月)

質問

昨年の働き方改革実行開始から関係法律が順次施行されています。
2020年4月1日から、企業規模等により施行時期が猶予されていたものも施行されるとのことですが、どの様な法律が施行されるのか教えてください。

回答

2020年4月1日以降に施行されるのは、中小企業に猶予されていた規定と派遣法の規定で、次のとおりです。

【労働基準法】
① 時間外労働の上限規制
36協定の協定事項や限度時間の明確化
② 時間外労働割増率5割以上適用
月60時間超えた場合は5割以上の割増率を適用しなければなりませんが、中小企業に対する猶予措置は2023年3月31日までとなりました。

【パートタイム労働法、労働契約法】
雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保。「同一労働同一賃金」の適用。
短時間・有期雇用労働者について、正規労働者との不合理な待遇差が禁止されます。
大企業は2020年4月1日、中小企業は2021年4月1日からです。

【労働者派遣法】
雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保。「同一労働同一賃金」の適用
派遣労働者について、派遣先の労働者との不合理な待遇差が禁止されます。
すべての派遣会社に対し、2020年4月1日から施行されます。

【女性活躍・ハラスメント規制法】
企業に対するパワハラ防止対策、防止指針の義務付け
大企業は2020年6月1日、中小企業は2022年4月1日からです。

各種商品卸売業(2019年11月)

質問

当社には支店、営業所が3ヶ所あります。
このたび、A営業所からB支店へ転勤する社員について、36協定の上限時間の適用はどのようになるのか教えてください。
実は、すでにA営業所で特別条項を5回適用している社員が対象です。

回答

労基法36条に定められている労使協定の限度時間については、各項により意味が異なります。
① 1か月45時間、1年360時間(3か月を超える期間は1か月42時間、1年320時間を限度時間とする規定)については、事業場における時間外・休日労働協定の内容を規制するものであり、特定の労働者が転勤した場合は通算されません。
② 特別条項付きの労使協定にあっては、時間外労働及び休日労働をさせることができる限度時間は、1か月について1か月100時間未満でなければならないこと、1年単位の労使協定では1年720時間未満であること、1か月45時間(3か月を超える期間の労使協定は1か月42時間)を超えることのできる月数は1年で6回以内であることとする規定(法第 36 条第5項)については、事業場における 時間外・休日労働協定の内容を規制するものであり、特定の労働者が転勤した場合は通算されません。
 ③ 労使協定により時間外労働・休日労働を行うことができる場合であっても、1か月100時間未満でなければならないとする規定(36条第6項2号)、及び労使協定の対象期間の初日から1箇月ごとに区分した各期間の直前の1箇月、2箇月、3箇月、4箇月及び5箇月の期間を加えたそれぞれの期間における時間外・休日労働時間数が1箇月当たりの平均で80時間を超えてはならないとする規定(36条第6項第3号)は労働者個人の実労働時間を規制するものであり、特定の労働者が転勤した場合は法第 38 条第1項の規定により通算して適用されます。
※ 労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する(労基法38条1項)。

介護施設運営(2019年2月)

質問

労働基準法が改正されましたが、それぞれの施行期日とその罰則を教えてください。

回答

改正条項のほとんどが平成31年4月1日からの施行となり、罰則は適用されるものとされないものがあります。

●3ヶ月フレックスタイム制
 施行期日 平成31年4月1日
 罰  則 労使協定の届出違反 30万円以下の罰金

●時間外労働の上限規制に係る規定
 施行期日 平成31年4月1日
 罰  則 上限時間(80時間、100時間)違反 
 6ヶ月以下の懲役又は30円以下の罰金
 経過措置 中小事業主は平成32年4月1日から適用
 適用除外 新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務
 適用猶予 工作物の建設等の事業、自動車の運転の業務、医業に従事する医師等
 ※平成36年4月1日から適用

●年次有給休暇
 施行期日 平成31年4月1日
 罰  則 年5日以上取得させなかった使用者に対して、対象1名につき30万円以下の罰金

●割増賃金率の適用
 施行期日 中小事業主は平成 35 年4月1日から適用
 罰  則 6ヶ月以下の懲役又は30円以下の罰金

●労働基準法施行規則の見直し
 施行期日 平成31年4月1日
  ⑴ 労働条件の明示    → 真実を明示すること
  ⑵ 労働条件の明示の方法 → 希望によりmail可
  ⑶ 過半数代表者関係   → 民主的な選出に限る

金属部品製造業(H30年2月)

質問

弊社では、ほぼ毎月残業が発生しますので、残業の多い月と少ない月を平均した額を計算し固定残業代として毎月支払っています。
先日、残業時間数などの内訳を明示しないと、これまでのような支払方ができなくなると聞いたのですが、本当でしょうか?

回答

固定残業制を続ける場合は、基本給の額とは別に実際の残業時間数と残業代の計算方法とその金額を明示することが必要です。
例えば、【月給30万円(時間外手当込み)】という文言は、「固定残業代」と「基本給等の額」が区別されていないので不適切となり、【月給25万円、時間外手当5万円】というのも、「基本給等の額」は区別されていますが、「固定残業代」としている5万円の計算根拠となる残業時間数や1時間当たりの賃金額が明記されていないので、これも不適切となります。
「1時間当たりの賃金」は、1ヶ月の平均所定労働時間{(365日-1年間の所定休日日数)×(1日の所定労働時間)}÷12を分母として(月給+各種手当)を割ります。
「残業時間数」は、タイムカードなどにより適切に把握し、固定残業代の基礎となっている労働時間数を超えて残業をした場合は、追加の割増賃金を支払う必要がありますし、その旨を明記しなければなりません。
近年、募集要項や求人票の「固定残業代」を含めた賃金表示をめぐるトラブルが多発しているため、青少年が応募する可能性のある募集または求人について、指針は「固定残業代」に関する適切な表示をするよう定めています。法令に従った適正な管理と計算をすることが労務管理の基本です。

各種認定資格等