労務相談事例集

弊所に寄せられたご相談をピックアップしました。弊所に寄せられたご相談をピックアップしました。
解決方法も併せてご覧いただき、御社の「困った!」を是非ご相談ください。 ※メールや電話相談だけのご契約も可能です。
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旅行代理店(2020年9月)

質問

新型コロナウイルスの影響で売り上げが激減し、今後も回復の見通しが立たないので、やむを得ず現在勤務してもらっている派遣社員の契約を解除したいのですが、労働者派遣法上問題があるでしょうか?

回答

派遣先は、自らの都合により労働者派遣契約を解除する場合には、新たな就業機会の確保や休業手当等の支払に要する費用の負担等の措置を講じなければなりません(労働者派遣法第29条の2)。
また、この措置の内容は、労働者派遣契約に定めることとなっていますが、契約に定めがない場合であっても、労働者派遣法に基づく措置は行う必要があります。
新型コロナウイルス感染症の影響により事業を縮小したこと等に伴う派遣契約の解除であっても、派遣先からの申出により契約の解除を行う場合には、原則として、この措置を講ずる義務があります。
なお、労働者派遣契約の中途解除が派遣先の都合によらないものであっても、派遣先は、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」第2の6の⑶に基づき、関連会社での就業をあっせんするなどにより、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることが必要とされています。

派遣会社が雇用調整助成金の支給を受けた場合でも、派遣先において労働者派遣法第29条の2に基づく措置を講ずる必要がなくなるものではありませんが、そのような場合に備えて、休業手当分の費用負担額については、派遣会社と事前に協議された方がよろしいかもしれません。

※ 新型コロナウイルス感染症に伴い労働者派遣契約を解除することに関し、厚生労働省から派遣労働者の雇用維持等について要請がなされています。

精肉業(2020年8月)

質問

保育所に子どもを入所させて復職する予定の社員ですが、市からその保育所への登園自粛の要請を受けたため、当面子どもを保育所に預けないことにしたいと連絡がありました。
こうした場合、育児休業の延長の扱いはどうなるのでしょうか?

回答

対象のお子様が1歳までの場合は、理由を問わず、育児休業の終了予定日の繰下げ変更(最長1歳まで(両親がともに育児休業をする場合、一定の要件を満たせば最長1歳2か月まで)を申し出ることができます(1歳から1歳6か月までの休業、1歳6か月から2歳までの休業それぞれについても同様に繰下げ変更の申出が可能です)。
法令上は1か月前までに申し出ること、1回に限り変更可能であることとなっていますが、御社の規程をもとに労使で十分に話し合ってください。
また、育児休業から一度復帰している場合も、再度の育児休業(最長1歳まで(両親がともに育児休業をする場合、一定の要件を満たせば最長1歳2か月まで))を申し出ることができます。
一方、お子様が1歳または1歳6か月になるときに、引き続き育児休業をしたい場合には、1歳からの休業であれば最長1歳6か月まで、1歳6か月からの休業であれば最長2歳までの育児休業を申し出ることできます。
いずれの場合についても、事業主は労働者からの申出を拒むことはできません。また、雇用保険の育児休業給付金は受給可能です。
なお、健康保険等社会保険の保険料免除につきましては、お子様が満3歳なるまで申請可能です。

建設業(2020年7月)

質問

緊急事態宣言が解除されましたが、また感染者が増加しています。
そこで、当社のコロナ感染防止対策の一つとして、派遣労働者についてもテレワークを実施することを考えています。
労働者派遣法に関して留意すべきことはありますでしょうか?

回答

派遣労働者にテレワークを実施するためには、これまでの事務所等での勤務を前提とする通常の働き方と異なる働き方をすることになります。
よって、派遣契約の内容である就労場所の変更になりますので、派遣会社へ契約変更の申し出を行うことが必要です。また、労働時間の把握・管理方法が変わるのであれば、そのことについても契約変更を行う必要があります。
まだ新型ウイルス感染流行が終息したわけではありませんので、テレワーク勤務について派遣会社と十分に話し合ってください。特にテレワークの場合の派遣労働者に対する御社の指揮命令をどうされるかですが、指揮命令は必ずしも対面で実施しなければならないものではありません。
派遣労働者の業務内容を踏まえ、テレワークによって必要な指揮命令をしながら業務を遂行することが可能かどうか、個別に評価・判断することになります。

【ご参考】
派遣会社および派遣先は、定期的に派遣労働者の就業場所を巡回することとされていますが、これは、派遣労働者の就業の状況が労働者派遣契約に反していないことを確認するためのものです。
派遣労働者に対して自宅やサテライトオフィスでテレワークを実施させるときは、たとえば、電話やメール等により、就業状況を確認することで十分で、派遣労働者の自宅等まで巡回する必要はありません。

証券業(2020年6月)

質問

妊娠中の社員が「電車通勤していると新型コロナ感染が心配なので、休みたい」と言ってきました。
すでに有給休暇はなく、産前休暇は1ヶ月先です。
欠勤控除の対応だけで問題ないでしょうか?

回答

働く妊婦の方は、職場の作業内容等によっては、感染について大きな不安やストレスを抱える場合があります。
感染だけでなく、これによる「不安やストレス」を妊婦の方が回避したいと思うことは理解できます。
また、こうした不安やストレスが、母体または胎児の健康に影響があると、主治医や助産師から指導を受ける場合があります。働く妊婦の方は、その指導内容を事業主に申し出た場合、事業主は、この指導に基づいて必要な措置を講じなければなりません。たとえば、「感染のおそれが低い作業に転換させる」、「在宅勤務や休業など、出勤について制限する」といった措置が考えられます。
主治医等からの指導については、その指導事項を的確に伝えるため「母健連絡カード」というものを作ることになっています。妊婦の方がこの「母健連絡カード」により申出を行った場合、事業主は主治医等の指示に従って、適切な対応をしなければなりません。
もともと、働く妊婦の方は、新型コロナウイルスとは関係なく、主治医等の指導に基づき、妊娠中の通勤緩和や休憩、あるいは妊娠に伴う症状などに応じて妊娠中の作業の制限、勤務時間の短縮、休業等、様々な措置を受けられる可能性があります。なお、テレワークや時差通勤などについては、多様な働き方の一つとして国も進めている働き方です。
主治医等の指導を前提として、申出をした社員の方がどのような働き方を希望しているのか、会社はどのような業務や勤務を用意できるのかなどについて、話し合ってみましょう。

倉庫業(2020年5月)

質問

当社は、物流倉庫の管理をしていますが、担当している契約社員のうち、1日7時間、週5日勤務の者がいます。
シフト勤務であるため、月2日は午前0時まで勤務する日がありますが、普段の日は午後8時までです。このほかに、欠勤者や早退者がでた場合は、残業で午前0時近くなることもあります。
これまでは、毎年1回の健康診断は実施していたのですが、6か月に1回、健康診断が必要であると聞いたのですが、どのような場合でしょうか?

回答

深夜業に従事する労働者に対しては、労働安全衛生規則第45条により「特定業務従事者定期健康診断」を実施しなければなりません。
深夜業(深夜労働)とは「午後10時から翌朝午前5時まで」の時間帯に業務に従事することをいい、この時間帯であれば時間の長短を問わず深夜業に該当します。
深夜業の対象となる者は、6か月以上使用する予定の者」かつ、「週の労働時間が正社員の4分の3以上」である者です。なお、この条件を満たさなかったとしても、週の労働時間が正社員の2分の1以上のときは努力義務となります。
つぎに、「深夜業務を含む業務」の解釈は、6ヶ月を平均して1ヶ月4回以上(6ヶ月に24回以上)、午後10時から翌朝午前5時のまでの間の業務に従事したこと」をいいます。
したがって、時間外労働が長くなり、前述の基準に該当すれば、本来の勤務自体は深夜業でなくとも、6ヶ月以内ごとに1回、健康診断の実施が必要になります。
パートやアルバイトでも該当する場合がありますので、ご注意ください。
また、管理職の方が頑張り過ぎて勤務が深夜に及ぶ場合も同様の解釈により「特定業務従事者定期健康診断」の対象となりますので、見過ごさないようにしてください。

保険代理業(2020年4月)

質問

当社では、顧客の所在地や打合せ時間によっては、自宅から顧客先へ直行させています。
また、帰りは会社に戻ってから帰宅することが原則ですが、朝と同様に訪問場所と社員の自宅の場所との関係などで直帰も認めています。
会社から顧客先へ行くときや顧客先から会社へ戻るときは、その移動時間は労働時間になるようですが、直行・直帰の場合の移動時間は労働時間になるのでしょうか。

回答

通勤とは、本人の住居と勤務場所との往復をいいます。
直行や直帰の場合の勤務場所とは顧客先などの出向いた場所になります。言い替えれば「通常と異なる勤務場所と住居の往復」と考えるとわかりやすいでしょう。
会社に出勤すれば、始業時刻以降は使用者の指揮命令下に置かれていることになります。そして、業務命令により会社から顧客先などの目的地に移動するのが通常の業務遂行の方法です。そして、会社に戻り退社するまでの時間が労働時間であるとされています。
一方、「直行・直帰」は、顧客の所在地や打合せ時間などの関係から会社へ出勤することなく自宅から直行する方が合理的である場合や訪問場所と社員の自宅の場所の関係などから会社に戻るのが不合理である場合は、会社を経由することによるムダを省くため,直接自宅から目的地へ移動し、目的地から直接自宅へ移動することを認める実務的な扱いです。
この場合は、通勤時間と同様に、直行では住居を出発して寄り道しても、顧客と約束した時間に到着すれば良いですし、直帰では顧客との面談終了後にまっすぐ自宅へ帰らずにどこかへ寄っても良いわけです。
これらの時間は、直行のときは訪問先に到着する前の時間および直帰のときは訪問先で業務が終了した以降の時間は通勤時間となり、労働時間には該当しません。

金属部品製造業(H30年2月)

質問

弊社では、ほぼ毎月残業が発生しますので、残業の多い月と少ない月を平均した額を計算し固定残業代として毎月支払っています。
先日、残業時間数などの内訳を明示しないと、これまでのような支払方ができなくなると聞いたのですが、本当でしょうか?

回答

固定残業制を続ける場合は、基本給の額とは別に実際の残業時間数と残業代の計算方法とその金額を明示することが必要です。
例えば、【月給30万円(時間外手当込み)】という文言は、「固定残業代」と「基本給等の額」が区別されていないので不適切となり、【月給25万円、時間外手当5万円】というのも、「基本給等の額」は区別されていますが、「固定残業代」としている5万円の計算根拠となる残業時間数や1時間当たりの賃金額が明記されていないので、これも不適切となります。
「1時間当たりの賃金」は、1ヶ月の平均所定労働時間{(365日-1年間の所定休日日数)×(1日の所定労働時間)}÷12を分母として(月給+各種手当)を割ります。
「残業時間数」は、タイムカードなどにより適切に把握し、固定残業代の基礎となっている労働時間数を超えて残業をした場合は、追加の割増賃金を支払う必要がありますし、その旨を明記しなければなりません。
近年、募集要項や求人票の「固定残業代」を含めた賃金表示をめぐるトラブルが多発しているため、青少年が応募する可能性のある募集または求人について、指針は「固定残業代」に関する適切な表示をするよう定めています。法令に従った適正な管理と計算をすることが労務管理の基本です。

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