労務相談事例集

弊所に寄せられたご相談をピックアップしました。弊所に寄せられたご相談をピックアップしました。
解決方法も併せてご覧いただき、御社の「困った!」を是非ご相談ください。 ※メールや電話相談だけのご契約も可能です。
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建設業(2021年3月)

質問

マイナンバーカードが健康保険被保険者証として使用できるようになると聞きました。
今後は、被扶養者に異動があった場合の手続や、限度額適用認定証などの申請手続は不要になるのでしょうか。

回答

2021年3月からマイナンバーカードが健康保険被保険者証として使用できるようになりましたが、マイナンバーカードを使用する場合であっても、従来通り健康保険の被扶養者異動に関する手続は必要です。
一方、高額療養費制度については、限度額適用認定証や限度額認定・標準負担額減額認定証、特定疾病療養受療証を窓口で提出する必要がなくなります。
これまで限度額適用認定証等は事前に申請し、交付手続を行う必要がありましたが、今後は、オンライン資格確認が導入されている医療機関や薬局でマイナンバーカードを提示し、窓口で本人が同意することで限度額適用認定等が適用されます。
また、マイナンバーカードを使用した場合の医療費は、マイナポータルで確認することができ、領収証を管理する必要もなくなります。さらに、確定申告の際に医療費控除をオンラインで手続することができるようになります。
なお、現時点ではマイナンバーカードに対応している医療機関や薬局が少ないため、現在お持ちの健康保険被保険者証が必要な場面も多くあると想定されます。
マイナンバーカードを健康保険被保険者証として使用するためには、会社ではなく被保険者がマイナポータルで申し込み手続をしなければなりません。
申し込み手続はパソコンやスマートフォンから行うことができますが、パソコンやスマートフォンをお持ちでない方は、市区町村にマイナポータルにアクセスすることができる端末が設置されている場合もございますので、お住いの市区町村担当課へお問合せください。

電気工事業(2021年2月)

質問

雇用保険に加入している69歳の従業員が、一身上の都合により退職することになりました。
実は、2年前に退職して、そのときに高年齢求職者給付金を受給しており、再入社した今回は、被保険者期間が10ヶ月しかありません。
再度、高年齢求職者給付金を受給することはできるのでしょうか?

回答

高年齢求職者給付金の受給に必要な被保険者期間は、離職の日以前1年間に、基礎日数が11日以上ある月、または、労働時間が80時間以上ある月が6ヶ月以上となっています。
この高年齢求職者給付金の額は、被保険者期間が1年未満の場合は30日分、1年以上の場合は50日分の一時金が支給されます。

2017年1月の法改正後は、資格要件(週所定労働時間が20時間以上、かつ31日以上の雇用見込があること)を満たせば何度でも雇用保険に加入できますので、高年齢求職者給付金を何度でも受給できることになっています。
なお、ご本人がこのことを理解しており、御社を退職後、再就職することなく、再度御社で雇用されるなど、御社を意図的に利用しているような場合は、「制度の悪用」となる恐れがありますので注意が必要です。

高年齢求職者給付金は、一時金が一括で支給されるため、ハローワークでの手続は初回申込み時のみという点も、ご本人からすればメリットになっているかもしれません。

自動車販売業(2021年1月)

質問

健康保険に加入している社員の妻が離職し、雇用保険の失業給付を受給予定です。雇用保険の失業給付は、非課税ですので税務上は扶養としますが、健康保険についても、社員の被扶養者として、認定されるでしょうか。

回答

健康保険の被扶養者となるためには、以下の収入要件があり、被扶養者認定を受ける方はこれを満たしている必要があります。

1.同居の場合
年間収入130万円未満(※)かつ収入が被保険者の収入  の半分未満であること。
2.別居の場合
年間収入130万円未満(※)かつ収入が被保険者からの仕送り額未満であること。
(※被扶養者認定を受ける方が60歳以上または障害者の場合は、年間収入180万円未満)

この収入には雇用保険の失業給付、公的年金、健康保険の傷病手当金および出産手当金も含まれます。
収入が失業給付のみの場合、基本手当日額が3,611円(130万円÷12ヵ月÷30日)未満であれば、年間収入見込みが130万円未満となり、健康保険の被扶養者とすることができます。一方、失業給付の基本手当日額が3,612円を超える方については、年間収入見込みが130万円以上となりますので、失業給付受給開始までの待期期間は、被扶養者となりますが、基本手当の支給が始まった日をもって、被扶養者削除手続を行うことになります。

なお、健康保険組合によっては被扶養者認定基準や確認資料が異なる場合がありますので、ご加入されている健康保険組合にお問い合わせください。

生花卸売業(2020年12月)

質問

特別条項付きの36協定を締結していますが、新型コロナ感染症関連で、休む従業員が増え、残りの従業員の労働時間が多くなっています。「臨時に限度時間を超えて労働させることができる場合」の内容に、「新型コロナへの対応」は含まれていませんが、特別条項を適用しても問題ないでしょうか。

回答

「特別条項付きの36協定」とは、臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項)には、限度時間(月 45 時間・年 360 時間)を超えて労働させることができる協定です。

告示では、特別条項の運用について、「当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い、臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合に限り具体的に定めなければならず、「業務の都合上必要な場合」、「業務上やむを得ない場合」など恒常的な長時間労働を招くおそれがあるものを定めることは認められないことに留意しなければならない。」とされています。
一方で、今般のコロナウイルス感染症の状況については、36協定の締結当時には想定し得ないものであると考えられるため、たとえば、36協定の「臨時的に限度時間を超えて労働させることができる場合」に、繁忙の理由がコロナウイルス感染症とするものであることが、明記されていなくとも、特別条項の理由として認められます。
なお、現在、特別条項を締結していない事業場においては、法定の手続を踏まえて労使の合意を行うことにより、特別条項付きの36協定を締結することが可能です。
ただし、特別条項付きの36協定は、通常の上限時間を超える特別の扱いとなりますので、労働者代表が適正に選出され、全労働者が協定内容を理解していることなどを前提とした労使協定が締結されなければなりません。   
特に労働者代表が適正な手続により選出されているのかどうか、については労基署の関心も高いようです。

レストラン経営(2020年11月)

質問

新型コロナウイルスの影響で売り上げが激減し、今後も回復の見通しが立たないため、やむを得ず有期契約社については、今回の契約期間満了で退職していただくことを検討しています。
注意すべきことがあればお教えください。

回答

使用者から、労働契約の更新をしないことを通告する場合には、有期労働契約が3回以上更新されているか、1年を超えて継続して雇用されている契約社員については、少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければなりません(有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準第2条)。
なお、あらかじめ当該契約を更新しない旨契約書に明示されている場合は除きます。
一方、先に契約社員から労働契約の更新の申込みがあった場合は、使用者が雇止めをすることが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、これまでと同一の労働条件で、その申込みを承諾したものとみなされます(労働契約法第19条)。
① 過去に反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの 
② 労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められるもの  

使用者は、やむを得ない事由がある場合でなければ、少なくとも、その契約期間が満了するまでの間は、労働者を解雇することができないこととされています。有期労働契約の場合は、期間の定めのない労働契約の場合よりも、解雇の有効性は厳しく判断されますので、注意が必要です。(労働契約法第17条第1項)。

輸入代理店(2020年10月)

質問

社員の被扶養者となっている妻は、病院でパート勤務をしています。
通常は、年収90万円前後ですが、新型コロナウイルス感染症対応業務のため、所定外勤務が多くなっており、本年は年収130円を超えてしまうかもしれない、と相談がありました。
この場合、社会保険の被扶養者からはずさないとならないのでしょうか?

回答

健康保険の被扶養者認定については、年間収入が130万円未満であることが要件の一つです。
この年間収入については、今後1年間の収入を見込んで各保険者が判断することになっており、その認定にあたっては、過去の収入、現時点の収入または、将来の収入の見込みなどを用いて行います。
このため、たとえば、認定時(前回の確認時)には想定していなかった事情により、一時的に収入が増加し、直近3ヶ月の収入を年収に換算すると130万円以上となる場合であっても、今後1年間の収入が130万円未満となると見込まれる場合には、引き続き、被扶養者として認定されるのが原則です。
また、被扶養者認定を受けている方の過去1年間の収入が、昇給または、契約変更による勤務時間の増加を伴わない一時的な事情等により、その1年間のみ上昇し、結果的に130万円以上となった場合においても、原則として、被扶養者認定が遡って取り消されることはありません。
ただし、健康保険組合については、独自の被扶養者認定基準を設けている場合がありますので、被扶養者認定の詳細については、加入している健康保険組合へご相談ください。

金属部品製造業(H30年2月)

質問

弊社では、ほぼ毎月残業が発生しますので、残業の多い月と少ない月を平均した額を計算し固定残業代として毎月支払っています。
先日、残業時間数などの内訳を明示しないと、これまでのような支払方ができなくなると聞いたのですが、本当でしょうか?

回答

固定残業制を続ける場合は、基本給の額とは別に実際の残業時間数と残業代の計算方法とその金額を明示することが必要です。
例えば、【月給30万円(時間外手当込み)】という文言は、「固定残業代」と「基本給等の額」が区別されていないので不適切となり、【月給25万円、時間外手当5万円】というのも、「基本給等の額」は区別されていますが、「固定残業代」としている5万円の計算根拠となる残業時間数や1時間当たりの賃金額が明記されていないので、これも不適切となります。
「1時間当たりの賃金」は、1ヶ月の平均所定労働時間{(365日-1年間の所定休日日数)×(1日の所定労働時間)}÷12を分母として(月給+各種手当)を割ります。
「残業時間数」は、タイムカードなどにより適切に把握し、固定残業代の基礎となっている労働時間数を超えて残業をした場合は、追加の割増賃金を支払う必要がありますし、その旨を明記しなければなりません。
近年、募集要項や求人票の「固定残業代」を含めた賃金表示をめぐるトラブルが多発しているため、青少年が応募する可能性のある募集または求人について、指針は「固定残業代」に関する適切な表示をするよう定めています。法令に従った適正な管理と計算をすることが労務管理の基本です。

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