弊所に寄せられたご相談をピックアップしました。
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被服販売業(平成30年10月)
当社では、採用内定者全員(4月1日入社予定)に対して、3月下旬に3日程研修を実施することにしています。 この研修では、入社後の諸注意やビジネスマナーなどを説明するほか、社内各部署での実践的な業務経験をさせることを予定しています。 任意参加としていますが、入社後の仕事に関係することも多いので、過去ほとんどの内定者が参加している実績があります。 しかし、任意の研修ですので賃金を支払う予定はありませんが、昨今のニュース等により不安なところもあります。 注意すべき点がありましたら教えてください。
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入社前における内定者と会社の法律関係は、昭和54年最高裁判決により「入社前の内定者と会社の間では労働契約自体は成立していますが、指揮命令をすることはできない」と解されています。 また、入社前研修への参加義務については、平成17年東京地裁判決は、「本来は入社後に業務として行われるべき入社日前の研修等を業務命令として命ずる根拠はない」とし、会社が内定者に対して入社前研修への参加を求める場合には、あくまで『内定者の同意』が必要であり、参加を強制することはできないと結論づけています。 さて、労働時間ついては、一般的に使用者の指揮命令下にあって、労務提供のため現実に拘束されている時間のことをいいます。そして、教育(研修)に参加する時間については、「就業規則上の制裁等の不利益取り扱いによる出席の強制がなく、自由参加のものであれば、時間外労働にはならない。」とする通達があります。 御社の内定者研修について、内定者研修が自由参加であり、参加しないことについて何ら不利益が及ぶことはないということであれば、労働時間とはなりません。 しかしながら、研修内容をみると入社後に行うべき業務研修の性格が強いこと、不参加のときは理由を書いた届出書を求めるなどの手続を求める場合には、自由参加であるとしても業務命令として参加が義務付けられている研修であると評価され、労働時間となることもあります。 研修の内容、実施方法などを具体的に整理して、3日間の短期の労働契約が必要になるかどうかを検討されることをお勧めします。
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運送業(平成30年9月)
2日前に、社員が2tトラックで荷物を配送中に、ハンドル操作を誤り、車をガードレールにぶつけてしまいました。 幸いにも事故そのものはボディーをこすった程度で済みましたが、事故の原因を聞いたところ、運転中にスマホをいじっていたとのことでした。 運転中のスマホの操作は禁止していますので、ペナルティの意味も込めて修理費用の全額を請求しようと思っていますが、問題はありますでしょうか?
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修理費用を請求することはできますが、費用の全額を請求することは適切ではありません。 民法上、労働者が業務上の過失で会社に損害を与えた場合は、会社に対して賠償責任があります。 しかし、裁判例では、会社側にも安全配慮義務があることや、会社の指揮命令により業務を遂行し、その労働によって使用者が経済的利益を得ていますので、その過程で生じた過失による損害のすべてを労働者の責任とするのはあまりにも不均衡であるとされています。このことから、労働者の責任に関しては、その一部に制限する考え方が一般的です。なお、会社の車にかけられている損害保険から補てんされる額については、原則として請求できないと解されています。 次に、ペナルティであるということを前面に出すと就業規則に懲戒規定や減給制裁の規定を定めていることが必要になります。また、減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない(労基法91条)とされていますので、全額を請求すると、この限度を超えることが考えられます。 労働基準法では、使用者の労働者に対する賠償予定の禁止が定められています(労基法16条)が、これは損害賠償に係る金額を予定することを禁止するものであり、現実に生じた損害について賠償請求することを禁止するものではありません【昭22.9.13 発基17号】。 本件は、社員と十分に話し合い、事故の原因、事故歴、社内での前例などを踏まえて、納得性のある損害賠償額を示すことが重要になります。そして、常日頃、交通ルールを守り、事故が起きないように注意を喚起しておくことが、リスク管理の上からも必要でしょう。
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自転車販売業(平成30年8月)
1年間の期間を定めて雇用更新している契約社員(3年目)が、休日に事故を起こし、全治4ヶ月の重症を負いました。 契約社員就業規則には休職の規定があり、期間は3ヶ月と定められています。しかし、3ヶ月の休職期間が経過する前に現在の契約期間が満了してしまいます。 この場合、既に契約社員就業規則に定められている休職に入っているので、休職期間の定めが優先されることになるのでしょうか、それとも1年間の期間契約であるので、期間満了により契約関係は終了することになるのでしょうか?
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原則として、雇用契約の契約期間が優先されます。 休職制度は、雇用関係にあることが前提ですので、雇用関係が終了すれば契約社員就業規則は適用されなくなり、休職制度の適用も受けることができなくなります。 なお、既に休職に入っている場合について、特別の定めがあれば別です。 雇用契約の主旨からすれば、労務が提供できなくなった時点で、その雇用契約は成り立たなくなります。したがって、有期雇用契約終了時点で労務を提供することができない、困難であるという状態にあれば、契約を更新することは通常考えにくいでしょう。労務を提供することができる状態にないことは、雇止めの理由になります。 注意しなければならないのは、有期雇用契約であっても、複数回の更新により、「今回も当然契約更新する」ことが見込まれるような場合は、「雇用契約期間の満了により、直ちに雇用契約が終了し、契約社員就業規則の適用が無くなる」と結論付けることができない場合です。 今後は、誤解を生じることのないように、有期雇用契約者の休職規定について、「休職期間は3ヶ月とするが、その間に雇用契約満了日が到達する場合はその日までとする」といった条文を設けておくとよろしいでしょう。

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