事務所だより 2022年12月号

昨今の判例から学ぶ! 労基法の正しい理解と運用! 

変形労働時間制を正しく運用していますか ?

去る10月26日、名古屋地裁にて興味深い判決が出されました。その訴えは、飲食チェーン店に勤務していた元社員が、業績改善計画で達成困難な目標を課され退職を強要されたとして、解雇無効や慰謝料を求めたものでした。
これに対し名古屋地裁は、全国の店舗社員に適用されている「変形労働時間制」を無効と判断し、時間外労働に対する割増賃金の未払いを認定しています。(解雇無効などの請求は棄却)
店舗運営をしている企業やシフト休日を採用している場合には必須の変形労働時間制ですが、賃金への連動含めて正しく理解し、運用している企業は少ないかもしれません。今月は、改めて変形労働時間制のポイントを確認してみましょう。

 

変形労働時間制とは?

変形労働時間制とは、一定の期間を平均して1週の労働時間が法定労働時間以下になることを条件に、1週 40 時間・1日8時間の法定労働時間を超えて労働させることができる弾力的な労働時間制度をいいます。1年単位、1か月単位、1週間単位があり、変形労働時間制を採用するためには、就業規則への明記・労使協定の締結・届出を行い、労働者に周知しなければなりません。
判例の企業が採用していたのは1か月単位の変形労働時間制で、1か月以内の一定期間を変形期間とし、平均して1週間当たりの労働時間が 40 時間(特例措置事業所は44時間)以下の範囲で、特定の日や週について1日および1週間の法定労働時間を超えて働かせることができるとしていました(法第32条の2)。

変形期間中の週平均労働時間を法定労働時間以内とすること

 

 

 

 

起算日を明確に定める
労働日とその日の労働時間の始業・終業時刻について就業規則またはこれに準ずるものに、その定めをする(労使協定の締結でも導入可、その場合は管轄労基に届け出る)大前提として、上記3点が遵守されていることが必要です。

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