事務所だより 平成29年7月号
職場の安全衛生管理【社内の安全・健康確保 ⇒ 管理】 要再検査結果への対応 ?!
再検査の診断結果は、定期健康診断において労働安全衛生規則に決められている通常の健診項目について異常が認められ、または異常の疑いが認められたことになりますので、企業は、確実に再検査受診が行われるように配慮することが必要です。
ただし、再検査の診断がすべて異常所見であり、または重大な所見であるとは限らず、数値が基準範囲の境界にある場合や、数値を正確に補足できなかった場合もあります。
たとえば、生活習慣病につながりそうな異常値でいえば、基準範囲の境界にある数値の場合、受診者に警告を発する意味で再検査を指示することもありますし、すぐに薬を飲まなければならない状態ではないが、放置すると問題があるということもあります。
このような異常値については、定期健康診断後すぐに再検査をしても、ほとんど同じ数値が出るはずですので、ウォーキングなどの生活改善を試みてから再検査をしないと意味がないことになります。
一方、確定的な異常値については、自覚症状の有無にかかわらず、再検査を受診させることが必要です。また、他人に感染させてしまうかもしれない病気が疑われる場合(結核、肝炎など)は速やかな対応が必要です。
< 例 >
検査項目・単位 | 基準範囲(参考値) | 検査項目・単位 | 基準範囲(参考値) | ||
---|---|---|---|---|---|
血圧 | 最高 | 収縮期血圧(最高血圧) 130mmHg未満 |
血液像 | リンパ球 | 男性:18.9~47.5% 女性:19.1~47.4% |
最低 | 拡張期血圧(最低血圧) 85mmHg未満 |
単球 | 男性:4.2~10.3% 女性:3.8~9.6% |
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肺機能 | 肺活量 | 男性:3500ml 女性:2500ml |
好酸球 | 男性:0.6~9.6% 女性:0.7~8.5% |
|
肺活量比 | 80%以上 | 好塩基球 | 男性:0.3~2.0% 女性:0.3~2.3% |
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一秒率 | 70%以上 | 肝機能※ | 総ピリルピン | 0.2~1.2mg/dl以下 |
※肝機能検査では、GOT(AST)、GPT(ALT)、γ-GTPの値が出ます。GOT、GPTは肝臓の細胞の中にある酵素です。これらの酵素が血液中に多くあるときは、肝細胞がなんらかの原因により破壊されていることになります。アルコールによる肝障害では、まずγ-GTPが上昇します。アルコールを飲み続けて肝障害がさらに進行すると、GOTが上昇するとされています。
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