事務所だより 2019年5月号
勤務間インターバル制度について考える !!
勤務間インターバル制度とは ?!
「勤務間インターバル制度」とは、「過重労働による健康被害予防のため、勤務の終業時刻と翌日の開始時刻の間を、一定時間空けて休息時間を確保する制度」をいいます。
言葉からすると難しそうですが、簡単にいえば、「勤務終了後、次の勤務を始めるまでに一定時間以上の休息時間を設けて、翌日の始業時刻を遅らせる」制度です。
このことにより、仕事以外の生活時間や睡眠時間を確保することが可能となります。
この制度は「働き方改革関連法」に基づき、「労働時間等設定改善法」が改正され、前日の終業時刻から翌日の始業時刻の間に一定時間の休息を確保することを事業主の努力義務として規定(2019年4月1日施行)されました。
勤務間インターバル制度は、ヨーロッパで早くから導入されており、1993年のEU労働時間指令で、「24時間につき最低連続11時間の休息時間」が定められています。
たとえば、10時~18時が就業時間の企業で、深夜24時まで残業した場合、始業時刻は10時ですが、残業終了後11時間経過する翌日11時までは休息時間として労働させることができません。このように、当日の勤務と次の日の勤務との間に、必ず一定の休息時間を確保することにより、長時間労働の防止や労働者の心身の健康確保を図ろうとする制度となっています。
勤務間インターバル制度導入のメリット ?!
勤務間インターバル制度を導入し、定められた休息時間を確保しなければならなくなることに伴い、部署ごとまたは、社員ごとの労働時間の偏り、突発的な長時間勤務や頻度など、これまでは総労働時間の中に埋没していた数字(労働時間)がみえやすくなる、といった結果も出ています。
また、労働時間が、どの部署で、どのような目的のため、どれだけの量を、どれだけの期間投入されているかを知ることは、働き方の見直しを行う上でも、そして生産性の向上を検討する上でも、極めて重要なデータになります。
◎ 健康維持に向けた睡眠時間と生活時間の確保により、ワークライフバランスを実現する。
◎ 社員の労働時間に関する意識を高め、計画的、効果的に仕事を遂行する。
◎ 労働の質を高め、効率的に労働することにより、生産性の向上を図ることができる。
◎ 魅力ある職場づくりを通じ、人材の確保や定着を期待することができる。
◎ 確実な休息時間の取得で、長時間勤務の削減や超過勤務を抑制することができる。
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