事務所だより 2019年11月号
産業医・産業保健機能の強化!?
労働安全衛生法改正の目的 !
長時間労働やストレスを背景とする労働者の脳・心臓疾患やメンタルヘルス不調を未然に防止することを目的として、医師が面接指導において対象労働者に指導を行うだけではなく、事業者に対しても医学的な見地から就業上の措置を適切に講じるよう意見を述べることができるように、労働安全衛生法の改正が行われました。
また、健康リスクが高い状況にある労働者を見逃さないため、産業医による面接指導や健康相談等が確実に実施されるようにするとともに、産業医等が産業医学の専門的立場から労働者一人ひとりの健康確保のために、より一層効果的な活動を行いやすい環境の整備が図られるよう産業保健機能が強化されました。
法改正後の長時間労働者に対する面接指導の流れ ?
① 週の実労働時間が40時間を超えた時間が月80時間超の労働者の情報を産業医に提供
【改正】 100時間から80時間に引き下げ
② 産業医が情報を元に労働者に面接指導の申出を勧奨、あるいは①の対象労働者が面接指導を申出
③ 産業医による面接指導を実施
④ 事業者が産業医等から労働者の措置等に関する意見を聴取
⑤ 事業者が産業医の意見を踏まえて必要な措置を講じる
⑥ 【新規・改正】事業者が産業医に措置内容を情報提供
※ 措置内容について、または措置しない場合は、その理由を情報提供しなければなりません。
⑦ 措置状況を確認した産業医は、労働者の健康確保の必要と認める場合、事業者に勧告
※ あらかじめ事業者の意見を求めるなどの規定を安衛則第14条の3として新設
⑧ 【新規・改正】事業者が産業医の勧告内容を衛生委員会に報告
※ 勧告を受けた事業者は衛生委員会に報告しなければなりません。
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