事務所だより 2026年8月号

経営者・人事担当者が知っておくべき「就業規則」見直しの最適タイミング 

「うちの就業規則、何年も前に作ったきりだけど大丈夫だろうか……」そう思いつつも、日々の業務の忙しさから見直しを後回しにしていませんか?
就業規則は、会社の基本ルールであると同時に万が一の労務トラブルから会社を守る「防盾(たて)」です。しかし、法律や社内の実態とズレた就業規則(形骸化したルール)を放置していると、予期せぬ未払い残業代の請求や、問題社員への対応で会社側が圧倒的に不利になるリスクがあります。
経営者や人事担当者が絶対に逃してはならない就業規則の見直しタイミングと、押さえるべき重要チェックポイントを解説します。

 

1.就業規則を見直すべき「4つのサイン」

① 労働関連の「法改正」があったとき

法律が改正された場合、旧法に基づいた就業規則の規定は、変更手続きをしていなくても自動的に一部無効となり、新法が強制適用されます。法律違反として労働基準監督署から是正勧告や罰則を受けるリスクがあるため、法改正への対応は「必須」です。

●近年・今後の注目法改正例

育児・介護休業法の段階的改正、高年齢者雇用安定法(70歳までの就業機会確保の努力義務)、年5日の有給休暇取得義務化、「カスタマーハラスメント」防止の義務化など。

 

② 組織の拡大や「雇用形態」が多様化したとき

 創業期のルールのまま、社員が増えたり、新しい働き方が生まれたりしていませんか?

●管理職の増加

マネージャー層が増えたことで、役職手当の定義や権限、管理監督者の範囲を明確にする必要性。

●多様な雇用形態の登場

正社員だけでなく、パート、アルバイト、契約社員、リモートワーク特化型社員などが増えた場合。

 ※雇用形態ごとに個別の就業規則を用意するのが、トラブル防止につながります

 

③ 社内の実態と就業規則に「乖離(ズレ)」があるとき

 「誰も守っていないルール」や「実態と文言がズレている規定」は、労務トラブルの火種になります。

●勤怠管理の方法

直行直帰やリモートワークが普及しているのに、規則には「タイムカードによる打刻」しか書かれていない。

●手当の支給実態

すでに廃止したはずの手当(家族手当や精勤手当など)が規則に残ったままになっているか、または支給基準が曖昧。

④ 予期せぬ「社内トラブル」が発生したとき

問題社員への対応、メンタル不調による長期休職、セクハラ・パワハラ問題などが実際に起きたときも、重要な見直しのタイミングです。
想定外の事態が起きたということは、現行の就業規則にヌケモレがある証拠です。二度と同じトラブルで会社が不利益を被らないよう、服務規律や懲戒規定を具体化・厳格化する必要があります。

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