事務所だより 2026年5月号
「スポットワーク」利用における留意点 ~適切な労務管理を行うために~
スポットワークとは、1日単位または数時間単位で1回限りの労働契約を結ぶ新しい働き方です。人手不足が続く中、企業では繁忙期や急な欠員に対応できる柔軟な人材確保の手段として活用が広がっています。働く側にとっても、ライフスタイルに合わせて柔軟に働ける利点があり、若年層・副業希望者・シニア層を中心に支持が拡大しています。一方で、急速な普及により労務管理上のトラブルも増えており、企業は制度の特性と法的枠組みを理解した上で活用していかなければなりません。今月はスポットワーク利用時の労務管理上の主要な留意点を確認します。
1.労働契約締結時における留意点
労働契約の成立時期 ▶「応募 = 契約成立」が原則に
スポットワークはアプリ上で求人と応募が短時間にマッチングすることが一般的です。厚生労働省は2025年7月に「面接を経ることなく先着順で就労が決定する求人では、別途特段の合意がなければ、応募完了時点で労使双方の合意があったものとして労働契約が成立すると考えられる」との見解を示しました。これを受けて、2025年9月1日以降は業界のルールとして「応募完了時点で解約権が留保された労働契約(解約権留保付労働契約)が成立する」を原則とした運用が進められることになりました。
契約の当事者
スポットワークは、事業主とスポットワーカーが直接労働契約を締結することになり、労働基準法等を守る義務は労働契約を締結した事業主に生じます。雇用仲介を行う事業者(以下「仲介事業者」という。)は契約当事者ではありません。

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