事務所だより 2026年9月号
労働基準監督署の調査(臨検)とその概要について ~立ち入り調査の意味・内容・種類/抜き打ち調査への備え~
労働基準監督署(労基署)は、毎年多くの企業に対して労務管理の状況を確認する調査を行っています。「通報があった企業だけが対象」と思われがちですが、実際には“無作為の定期監督”が最も多く、どの企業にも調査が入る可能性があります。調査が入ったからといって、必ずしも問題があるわけではありません。しかし、日頃の労務管理が不十分な場合、思わぬ指摘につながることもあります。
「調査にどう対応すべきか」「罰則を受けるのではないか」等さまざまなご不安もあるでしょう。今月は、調査の概要および臨検で指摘されやすい典型ポイントを整理します。
1.労基調査(労働基準監督署の調査)とは
企業が労働基準法や労働安全衛生法などの労働関係法令を遵守しているかを確認し、必要に応じて是正を求める行政調査です。労働基準監督官が企業に立ち入り(臨検)または呼び出しを行い、問題が認められれば是正勧告や指導が行われます。
調査では、残業代の未払い、長時間労働、就業規則の不備などが確認対象となり、帳簿類の確認やヒアリングを通じて違反の有無を判断します。監督官は帳簿だけでなく、実際に働く従業員への聞き取りを重視します。「タイムカードと実際の労働時間が一致しているか」「休憩が適切に取れているか」など、現場の声が是正勧告の決め手となることもあります。
従業員に対するヒアリングが行われる前にあらかじめ企業が企業側に有利な回答例を示し、回答例に沿った回答を従業員に指示することは、「不正行為(隠蔽・誘導)」とみなされ強い行政指導の対象になります。さらに、従業員が事実と異なる回答をした場合、従業員本人が労基法120条の「虚偽の陳述」で30万円以下の罰金の対象となります。
【令和6年度に長時間労働が疑われる事業場に対して労働基準監督署が実施した監督指導結果】

(引用:厚生労働省ホームページ)
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